中性脂肪は「悪」なのか

「中性脂肪」という言葉に対して、たいていの人はマイナスのイメージを持つでしょう。
「中性脂肪なんて、ない方がいいに決まっているんだ」と、中性脂肪そのものの存在を嫌がる人も少なくありません。

 

ですが本当に、中性脂肪はそこまで「悪」と言うべき存在なのでしょうか。

 

適量の中性脂肪は生命維持に欠かせない

言葉のイメージが悪くて嫌われがちな中性脂肪ですが、結論から言えば、この中性脂肪が「まったく存在しない」という状態だと、人間は生命を維持することすら困難となってしまいます。

 

なぜなら中性脂肪は「いざという時に、生命維持・生命活動に使うことができるエネルギー源」として、体の中に蓄えているものだからです。
つまり体内に存在する「備蓄エネルギー」というわけですね。

 

「この備蓄エネルギーである中性脂肪がゼロ」という人が仮に存在した場合、どんな事態が想定できるかというと・・・
たとえば、災害や体調不良などの理由で食べ物からのエネルギー摂取ができなくなった場合、中性脂肪ゼロの体は「備蓄エネルギーがない」という状況なので、どこからもエネルギーを補給することができず、即、生命維持の危機におちいってしまうというわけです。

 

さらに、中性脂肪は、脂肪がつく場所によって皮下脂肪と内臓脂肪に分かれますが、この中でも皮下脂肪は、寒さから身を守るための断熱材がわり、衝撃から内臓を守るためのクッションがわりとしての役割も果たしますので、こうした面でも「ある程度はなくてはならない存在」となっているわけです。

 

どうして現代では中性脂肪が問題視されているのか

というわけで、中性脂肪は生命維持と生命活動に欠かせない存在なのですが、現代においては中性脂肪は完全に「悪」扱いされていると言っても過言ではありません。

 

なぜ、必要であるはずの中性脂肪が悪者扱いされ、問題視されているのかというと。

 

「食べるものにも困る」ということがめったにない現代日本社会においては、「中性脂肪が少なすぎる」というケースはきわめて少数派で、むしろ「中性脂肪が適量を大幅に超えて多すぎる」というケースのほうが圧倒的に多いからです。
必要以上の中性脂肪が過剰に蓄積されていくことが問題だ、というわけですね。

 

過ぎたるはなお、及ばざるがごとし。
適量の中性脂肪は「悪」どころか「善」と言っていい存在ですが、適量を超えて余ってしまっている中性脂肪は、健康に対して「悪の働き」をしやすい存在となってしまうということです。